カシノ(Cassino)
<はじめに>
以下のページの内容を踏まえた上で、ご紹介いたします・・・!◆
2人ゲームの傑作中の傑作!ぼくのお気に入り中のお気に入りです。
カシノにも様々なバリエーションがありますが、ここでは、ぼくがダントツに面白いと思うバージョンを述べさせていただきます。
なお、このバージョンを知ることができたのは、松田道弘さんの「トランプの楽しみ」(1979,ちくま少年図書館)のおかげです(この本の解説はとても丁寧です。機会があれば是非手に取られてみてください)!ただし、このページでは、ぼくなりに更に分かりやすく説明をアレンジした(つもりの)もので、紹介させていただきます。
<人数>
2人(4人でも楽しめます。これについては後述します)。◆
<使用パック>
スタンダードパック×1
◆
<カードの扱い>
全てのカードは、数字カードとして扱われます。具体的には、Aは1、2〜10は額面どおり、Jは 11、Qは 12、Kは 13として扱います。
また、一部のカードは、獲得すると得点になります。
なお、カードを場に出すときは、常に表向きです。◆
<勝利条件>
獲得したカードの種類や枚数に応じて得点を重ね、相手よりも先に21点(51点とすることもあります)に達する。◆
<魅力>
得点システムなど、若干憶えることはありますが、すぐに慣れる程度のレベルに収まっていて、ルールも、複雑なようで遊んでみると意外と単純。それでいて、多様な戦略・戦術が展開でき、相手の振る舞いの分析も非常に大事という、考えることの多い駆け引きのゲームです。
ゲームの様相も、序盤は確率論的な考え方、終盤は詰将棋的な考え方という、様々な考え方が必要になってくるということがあって、飽きが来ません。
このゲームだけでもう一日中遊べちゃいますね、ぼくは^^;◆
<ざっくりとした流れ>
1ゲームが6ラウンドから成ります。
最初に場札が4枚、互いの手札が4枚配られ、1ラウンド目を行います。交互に手札から1枚ずつ出していき、条件が合えば、場札を取ることができます。
このようにして場札を争奪して、互いの手札が尽きたら、新たに手札を4枚ずつ配り、次のラウンドに入ります。
こうして場札の争奪を6ラウンド行い、これが終わったら、各自、獲得したカードの種類や枚数に応じて得点します。<ルール>を読む上でイメージを持ちやすくなると思われるので、先にここで得点システムを述べさせていただきますね!(
〜得点〜
カード点(3):相手より多くカードを取った方に3点(同数の場合は計上しない)。
スペード点(1):相手より多くスペードのカードを取った方に1点。
ビッグカシノ(2):ダイア10を取った方に2点。
リトルカシノ(1):スペード2を取った方に1点。
エース(1×4):獲得したA一枚につき1点。
スイープ(1×回数):場札を一掃するごとに1点。
以上、計11点とスイープボーナスを争奪します)
これを何ゲームも繰り返して、先に21点(あるいは51点)に達した方が勝利ということになります。◆
<ルール>
(0)適当に先攻を決めます(決まった先攻プレイヤーはその1ゲーム中の全ラウンドで先攻となります)。
(1)52枚のカードをよく混ぜ、場札、それぞれのプレイヤーの手札として4枚ずつを配り、残りは山札として置いておきます。この上で、最初のラウンドを始めます。
(2)先攻のプレイヤーから交互に、手札から好きなカードを1枚選んで出していき、以下の行動のいずれかを選択します。
*1:カードを獲得する。
*2:予約をする。
*3:何もせず、出した手札を場札に加える。
以下、順に補足してまいります。
*1について。
「1枚以上の場札の組(1枚だけでもよい)で、その数字の合計が、手札から出したカードの数字と一致する」ものがある場合に選択できる行動で、
出したカードと共に、その場札の組を獲得できます(cf. 例1〜5)。
獲得可能な場札の組が複数ある場合は、望む分だけ同時に獲得できます(ただし、獲得する場札の組同士で、メンバーの重複があってはいけません。cf. 例4)。
獲得したカードは自分の前に伏せて置いておきます(プレイ中に参照することはできません)。ただし、場札を一掃した場合(「スイープ(sweep)」と呼びます)、後でボーナス点が計上されるので、目印として、獲得したカードを1枚だけ表向きにして置いておきます(どれを表向きにするかは自由です)。
*2について。
条件が整えば、次の自分の番に取る場札の予約ができます(ぼくの力不足で、ここの記述だけだと理解しづらいと思われるので、後述の例6〜11も適宜参照ください)。具体的には、
「出した手札を場札に加えた状態で、一切場札に変更が無いまま次の自分の番が回ってきたときに、適切に手札を出せば、*1によって、今出した手札と1枚以上の場札を獲得できる場合」、
獲得できるはずの場札と今出した手札をひとまとめにして、「次に自分は◯◯(※数字を述べます)でこれらを取る」旨を宣言できます。これが予約になります。
この「予約」をすると、相手は、予約された場札を、宣言された数字以外では取れなくなります(逆に言えば、宣言された数字を持っているなら横取りができます。ともあれ、予約によって、比較的安全に次の自分の番で場札を取れるわけです)。
ただし、相手は、手札1枚と、予約された場札全てを含む形で新しい予約ができる場合、「予約の上書き」が可能です。こうなるとプレイヤーと相手の立場は逆転するわけです。
予約後、横取りや上書きをされることなく自分の番が回ってきた場合は、必ずその予約を実行するか、あるいは、自分のその予約を自分で上書くかしなければなりません(放置してはいけません)。なお、予約をする際は、宣言する数字のカードが必ず手札になければなりません(持っていない数字を宣言して予約することはできません)。
*3について。
「行動*1、*2を取れない、あるいは取りたくない」場合は、
出した手札をそのまま場札に加え、相手に手番を譲ります。
特に、相手のスイープによって場札が一切無い場合は、行動*3を取らざるをえません。
(3)こうしてプレイを続けていき、互いの手札が尽きたら、そのラウンドは終了で、山札から新たに手札を4枚ずつ配り、先攻プレイヤーから次のラウンドを始めます。
(4)こうして6ラウンドのプレイを行い、山札も互いの手札も尽きたら1ゲーム終了です。余った場札は、最後に場札を取ったプレイヤーが総取りします(原理的には、どちらも一切場札を獲得せず、場に52枚カードが並んでいるという状況もありえますが、それは何かがおかしいです^^;)。
(5)各プレイヤーは、獲得したカードに応じて、上記<ざっくりとした流れ>で述べた得点システムに基づいて得点します。今一度記載いたしますね!
〜得点〜
カード点(3):相手より多くカードを取った方に3点(同数の場合は計上しない)。
スペード点(1):相手より多くスペードのカードを取った方に1点。
ビッグカシノ(2):ダイア10を取った方に2点。
リトルカシノ(1):スペード2を取った方に1点。
エース(1×4):獲得したA一枚につき1点。
スイープ(1×回数):場札を一掃するごとに1点。
(6)先攻後攻を入れ替えて、次のセットを行います。
(7)以上を繰り返して、先に目標点(21点だったり51点だったり)に達したプレイヤーの勝ちとなります(同時に目標点に達した場合は、点数の高い方を勝利とします。ここで同点の場合は、新たに1ゲームの延長戦を行い、その得点で勝敗を決めます。同点が続く間は、延長戦を続けます)。
◆
<例>
カシノのルールは、具体例と共に見た方が分かりやすいかと思われます・・・というわけで!いくつかご用意いたしました!是非ご活用ください!
〜カード獲得にまつわる例〜
例1)場札が「ハート3、クラブ3、ダイア6、ダイア10」の時に、手札からスペードQを出した場合、場札の「ハート3、クラブ3、ダイア6」の合計が(3+3+6=)12で、スペードQの12と等しいので、スペードQと共に、この場札3枚をプレイヤーは獲得できます(敢えて獲得せず、スペードQを場札に加えても構いません)。
例2)場札が「ハート3、クラブ3、ダイア6、ダイア10」の時に、手札からスペード10を出した場合、場札の「ダイア10」の合計が10でスペード10の10と等しいので、スペード10と共に、このダイア10をプレイヤーは獲得できます(敢えて獲得せず、スペード10を場札に加えても構いません)。
例3)場札が「ハート3、クラブ3、ダイア6、ダイア10」の時に、手札からクラブ6を出した場合、場札の「ハート3、クラブ3」は合計6、「ダイア6」も合計6なので、クラブ6と共に、これらの場札3枚全てをプレイヤーは獲得できます(敢えて「ハート3、クラブ3」を残して「ダイア6」だけ獲得したり、逆に「ダイア6」を残して「ハート3、クラブ3」だけ獲得することも可能です。また、敢えて何も獲得せず、クラブ6を場札に加えても構いません)。
例4)場札が「ハート3、クラブ3、ダイア6、ダイア10」の時に、手札からスペード9を出した場合、場札の「ハート3、ダイア6」は合計9、「クラブ3、ダイア6」も合計9ですが、この2つの組は、ダイア6が重複してしまっています。従って、プレイヤーは、スペード9と共に、上記2つの組のうち、どちらか一方のみを獲得できます(敢えて獲得せず、スペード9を場札に加えても構いません)。
例5)場札が「ハート3、クラブ3、ダイア6、クラブ6」の時に、手札からスペード9を出した場合、場札の「クラブ3、ダイア6」は合計9、「ハート3、クラブ6」も合計9で、これらの組にメンバーの重複はありません。従って、プレイヤーは、スペード9と共に、上記2つの組の両方を獲得できます(敢えて片方だけ獲得することも可能です。敢えて獲得せず、スペード9を場札に加えても構いません)。
〜予約にまつわる例〜
例6)場札が「ハート3、クラブJ、ダイア5、ダイアK」、手札が「クラブA、ハート4」の場合、クラブAを場札に出せば、場札は「クラブA、ハート3、クラブJ、ダイア5、ダイアK」となります。これらが全て生き残って再びプレイヤーの番が来れば、今出したクラブAと場札のハート3を、手札のハート4で獲得できます。というわけで、この手番で、プレイヤーは、手札からクラブAを出し、場札のハート3とひとまとめにして、「4」と宣言することで、予約をすることができます。こうなると相手は、4を出さない限り、場の「スペードA、ハート3」を取ることができません(手札から3を出しても場のハート3は取れませんし、手札からQを出して、場のスペードAとクラブJを取ることもできません。また、手札から9を出して、場の「スペードA、ハート3、ダイア5」を取ることもできません)。ただし、例10のように、状況によっては、相手が予約を上書きしてくることがありえます。
例7)場札が「ハート3、クラブJ、ダイア5、ダイアK」、手札が「スペード2、ハート5」の場合、スペード2を場札に出せば、場札は「スペード2、ハート3、クラブJ、ダイア5、ダイアK」となります。これらが全て生き残って再びプレイヤーの番が来れば、今出したスペード2と、場札の「ハート3、ダイア5」を、手札のハート5で獲得できます((2+3=)5,(5=)5の同時獲得です)。というわけで、この手番で、プレイヤーは、手札からスペード2を出し、場札のハート3、ダイア5とひとまとめにして、「5」と宣言することで、予約をすることができます。こうなると相手は、5を出さない限り、場の「スペード2、ハート3、ダイア5」を取ることができません(2+3+5=10だからと言って、手札から10を出しても、これらを取ることはできません)。ただし、状況によっては、相手が予約を上書きしてくることがありえます。
予約の際には、予約する手番に出した手札と、場札1枚以上を必ず使わねばならないことにご注意ください。
例8)場札が「ハート3、クラブJ、ダイア5、ダイアK」、手札が「スペード2、ハート8」の場合、スペード2を場札に出せば、場札は「スペード2、ハート3、クラブJ、ダイア5、ダイアK」となります。これらが全て生き残って再びプレイヤーの番が来れば、場札の「ハート3、ダイア5」を、手札のハート8で獲得できるわけですが、だからと言って、プレイヤーは、この手番で手札からスペード2を出し、これを放っておいて場札の「ハート3、ダイア5」をひとまとめにして「8」と予約することはできません。出した手札であるスペード2を使わないからです。
例9)場札が「ダイアJ、ハート3」で、手札が「スペードA、ハートA」の場合、手札にAが残るからといって、この手番に手札からスペードAを出して、「1」と予約することはできません。予約には、場札も使わねばならないからです。
〜予約の上書きにまつわる例〜
例10)場札が「クラブA、ハート3、クラブJ、ダイア5、ダイアK」で、「クラブA、ハート3」が「4」として(自分or相手によって)予約されているとします。このもとで、手札に「クラブ2、クラブ6」がある場合(※もし上の「4」の予約が自分のものならば、手札に4のカードもなければなりません)、予約の上書きをすることも可能です。というのも、クラブ2を出して、予約されている「クラブA、ハート3」とひとまとめにして「6」と予約することができるからです。
また、手札に「クラブ3、クラブQ」がある場合も、予約の上書きが可能です。クラブ3を出して、予約されている「クラブA、ハート3」、及び場札の「ダイア5」とひとまとめにして、(3+1+3+5=12なので)「12」と予約することができるからです。いずれの場合も、手札から出したカードと、予約されているカード全部を使って新しい予約をしていることにご注意ください。
例11)ややトリッキーな例ですが、しばしば起きる状況です。場札が「クラブA、ハート3、クラブJ、ダイア5、ダイアK」で、「クラブA、ハート3」が(自分or相手によって)「4」として予約されているとします。このもとで、手札に「クラブ3、クラブ6」がある場合、予約の上書きが可能です(※もし上の「4」の予約が自分のものならば、手札に4のカードもなければなりません)。というのも、手札のクラブ3を出して、予約されている「クラブA、ハート3」、及び場札のダイア5とひとまとめにして、「6」と予約できるからです(クラブ3とハート3が合計6、スペードAとダイア5が合計6となっていることに注意)。
お疲れ様でした。以上が傑作2人ゲーム「カシノ」のご紹介であります。最後に、4人バージョンについて述べさせていただきますね。◆
<4人バージョン>
2対2のチーム戦になります。1ゲームが2ラウンドになります。最初の場札は4枚、配られる手札の枚数は各人6枚になります。ゲームの流れや勝敗の決定は、上記の2人ゲームに準じます。◆
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