フエーフ(Chwech)
<はじめに>
以下のページの内容を踏まえて、ご紹介いたします・・・!◆
<前置き>
David Parlettさんが6人用に考案された傑作トリックテイキングゲームです(独特なトリックテイキングですが)。このゲームのタイトル「Chwech」は、キムリック(Cymric)で「6」という意味だそうです。実際には4〜7人でプレイ可能です(おすすめは6人ですが)。なお、上の日本語「フエーフ」というのはぼくの手による苦し紛れの訳(?)です^^;正確な発音については、例えば以下のリンクをご活用ください。
ルールの詳細については、可能であればDavid Parlettさんご本人の紹介ページをご覧になっていただきたく思います(以下のリンクを是非ご活用ください!)・・・が、英語のページですし、このゲームはぼくのイチオシの一つですので、以下、不束ながらぼくの方で、日本語による紹介も試みたいと思います(単純な和訳ではなく、ぼくのスタイルで述べさせていただきます)。
まずは基本ルールを述べ、続いて、David Parlettさんご本人による改訂も紹介させていただきます(どちらも面白いので、両方述べさせていただきます)。◆
<人数>
6人(個人戦です。4,5,7人バージョンは、後述します)。◆
<使用パック>
スタンダードパック1組に、ジョーカーを2枚加えた54枚。◆
<カードの扱い>
トリックテイキングゲームで、カードにはランクがあります。具体的には、(A)>K>Q>J>10>9>...>2>(A)の順で高いです。
「おい!Aはどっちなんだ!」という話ですが、Aのランクは、Aを出したプレイヤーが、その都度、最高(ハイ,high)か最低(ロー,low)かを選ぶことになります(便利ですね!)。
また、ジョーカーは、全てのマークに所属し、ランクは7と8の間とします。◆
<勝利条件>
手札を極力減らしつつ、獲得カード枚数を9の倍数に近づけることで高得点をゲットし、6ゲーム終了時点で、最高点を獲得していること。◆
<魅力>
特殊なトリックテイキングゲームではありますが、ルールはとてもシンプルで、それでいてとても奥が深いです。得点システムが面白いですし、絶妙なんですよね〜。ゲームに奥行きを与えています。周りの状況を見ることがとても重要です。もちろん運も大事ですが、技術が活きるゲームだと言えるでしょう!◆
<ざっくりとした流れ>
シンプルなゲームなので、省略します^^;◆
<ルール>
(0)円形に座り、適当に先攻プレイヤーを一人決めます。
(1)54枚のカードをよく混ぜ、手札として各人に9枚ずつ、全てを配り切ります。
(2)先攻プレイヤーが、最初のトリックをリードします。
(3)ここから、時計回りで、トリックテイキングを行っていきます。これに際して、下記の追加ルールがあります。なお、獲得されたカードは、誰のものか、そして何枚か分かるようにして置いておきます。
*1:台札と同じマークのカードが手札に無い場合は、カードを出せません。
*2:カードを出せない、もしくは出したく無い場合は、「パス」を宣言して次のプレイヤーに番を譲ります(トリック最後のプレイヤーがパスした場合、それでトリック終了となります。また、最初のトリックでなければ、トリックのリードも「パス」できます。この場合、左隣のプレイヤーがリードの権利を得るわけです)。
*3:ジョーカーでトリックをリードすることはできません。
*4:既にジョーカーが出ているトリックでは、2枚目のジョーカーは出せません(1トリックに2枚のジョーカーが出ることは無いわけです)。
(4)誰かの手札が尽きたら、そのトリックでゲーム終了です。また、トリックのリードを全員がパスした場合も、ゲーム終了となります。
(5)各プレイヤーは、以下を得点します。
(ゲーム中に出した手札の数)×(獲得したカードの枚数を9で割った余り)
ただし、「獲得したカードの枚数を9で割った余り」が0の場合は、9と見なします(つまり、高得点のためには、獲得枚数が9の倍数となるのが望ましいわけです)。
例1)ゲーム終了時、残りの手札が3枚、獲得枚数が17枚だった場合、「ゲーム中に出した手札の数」は(9-3=)6で、「獲得したカードの枚数を9で割った余り」は(「17÷9=1あまり8」より)8なので、得点は(6×8=)48点です。
例2)ゲーム終了時、残りの手札が0枚、獲得枚数が18枚だった場合、「ゲーム中に出した手札の数」は(9-0=)9で、「獲得したカードの枚数を9で割った余り」は(18÷9=2より)0なので、得点は(9×9=)81点です。
例3)ゲーム終了時、残りの手札が3枚、獲得枚数が0枚だった場合、「ゲーム中に出した手札の数」は(9-3=)6で、「獲得したカードの枚数を9で割った余り」は(0÷9=0より)0なので、得点は(6×9=)54点です。
(6)先攻だったプレイヤーの左隣が新たな先攻プレイヤーとなり、再び(2)〜(5)を行います。これを繰り返して、6ゲーム行ったらゲーム終了で、その時点の点数が高い順に順位をつけます。
以上が基本ルールになります。◆
<人数が6以外のときのプレイ>
4人でプレイする場合は、使用パックをスタンダードパックから「A,K,Q,J,10,9,8,7,6」のみを取り出した36枚とし、手札9枚で行います。
5人でプレイする場合は、使用パックをスタンダードパックから「2,3」を抜くか、「7,8」を抜くかした44枚にジョーカー1枚を加えた45枚とし、手札9枚で行います。
7人でプレイする場合は、ゲーム「500」(「ノートラ」)用の63枚パック(スタンダードパックに、数札11,12と、ハート・ダイアの13、および、ジョーカー1枚を加えたもの)を使用するか(好みに応じ、13をジョーカー扱いとします)か、スタンダードパックに2,3を4枚ずつと、ジョーカー3枚を加えた63枚パックを使用し、手札9枚で行います。◆
以下、David Parlettさんによる改訂を述べさせていただきます。Aやジョーカーの扱いに大幅な変更が加えられています。
<改訂>
・Aは、常に最強として扱いますが、トリックの最後のカードとなった場合のみ、最弱として扱います。
・ジョーカーのランクを変更します。ジョーカーは常に最弱として扱いますが、トリックの最後のカードとなった場合のみ、最強として扱います。
・ジョーカーでトリックをリードすることを認めます。この場合、リードしたプレイヤーは、ジョーカーをどのマークとして扱うか宣言します。
◆
以下、最後に若干の補足をさせていただきます。
大著「The Penguin Encyclopedia of Card Games」(David Parlettさん,2000,PENGUIN BOOKS)では、この「フエーフ」は「セクス」(ラテン語の「6」だそうです)という名で紹介されています。
そこでは、Aは「ハイ」か「ロー」を選べる仕様になっているほか、ジョーカーの扱いは以下の通りとなっています(これはこれで面白いと思います)。
・ジョーカーは、台札のマークのAとして扱います。Aとジョーカーが同じトリックに出た場合、後に出た方は、先に出た方が選ばなかったランクとして扱われます。例えば、あるトリックで、先にAが出て「ハイ」が選ばれた場合、同じトリックでその後にジョーカーが出されたら、そのランクは自動的に「ロー」となります。
それと、これは私見なのですが、基本ルールのまま行く場合、「獲得枚数が0枚」のプレイヤーは、得点を0としてもよいかもしれません。
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